治療用装具と更生用装具

装具には,いくつも分類がありますが.

その中でも制作する側も.そして,ユーザーさんにも知っておいて欲しい分類が

治療用装具更生用装具の分類です.

この2つは,「いつ」「何のために」使用する装具なのか?という分類です.

使用する目的を知るためにも重要なのですが.

何よりも,この2つの違いが装具の支給制度の違いに関わってくるので

装具を作成するまでの手続きも異なります.

場合によっては,装具を何個か作り替えて使用していく

…という事もあるので.そういった場合にはユーザーさんも

どちらに分類される装具か,知っていると混乱が少ないのではないでしょうか.

時系列で見た,治療用と更生用の違い

冒頭で触れたとおり,この2つの装具の違いは

「いつ」「何のために」使用する装具なのか?という違いです.

分かりやすいよう,時系列を追いながら.違いを解説していきましょう.

治療用装具とは

まず,ケガや病気をした際に(受傷)病院を受診します.

医師の診察,診断を経て治療の方針が決定されますが.

その際に,治療のために装具が必要という事になれば,装具が処方されます.

様々な治療が開始されますが,この時の装具療法に使用される装具

「治療用装具」にあたります.その名の通り治療のための装具ですね.

ケガや病気などによって起こった機能障害などに治療が行われ

機能が回復すれば,装具の使用は終了となり.治療もまた終了となります.

装具使用終了の判断は医師によって行われます

治療開始から終了までが,治療用装具が使用される期間ですね.

ケガや病気をされた方が,装具を使用する場合に

1番最初に使用する装具は基本的に治療用装具となります.

更生用装具とは

治療の結果,ケガや病気による機能障害が元通り回復すればよいのですが.

残念ながら場合によっては機能障害が残ってしまう場合もあります.

治療を行い始めてから一定期間経っており,

治療を継続しても,大きな改善が見込めない.

長期間で見ると,大きく回復することも悪化することもない.

そのような状態のことを,障害(症状)固定と呼び.

その場合も,治療は終了となります.

次のステップに進む,1区切りと考えればよいでしょうか.

障害(症状)固定後に日常生活を送っていく上

失われた機能を補い,日常生活向上のために使用する装具が「更生用装具」です

日常生活には,学校職場での生活も含まれます.

身体の機能を補うと同時にそれぞれの環境にあった装具である必要がありますね

まとめ

装具の違いをまとめると

治療用装具

治療開始から終了まで治療のために使用する装具

更生用装具

障害(症状)固定後に日常生活向上のために使用する装具

となります.

装具が必要な場合には,治療用装具→更生用装具と移行していくわけですが

冒頭触れたとおり,支給制度の違いもあります.

それぞれの支給制度に関してはまた別途解説をしていきますね.

参考文献

東京都福祉保健局 東京都心身障害者福祉センター 補装具費支給制度

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/hosougu/hosougu.html

公益財団法人テクノエイド協会,補装具費支給事務ガイドブック,p6

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000070149.pdf

厚生労働省 福祉用具

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/index.html