装具の作成が決まるまで

装具の作成をするにあたって,いくつかの過程があります.

治療用装具の場合には,治療の方針にも関わりますし

完成までの流れや,代金の支払い支給申請の手続きなど

良くある「装具を作ることになってから,使い終わるまで」

流れについて解説していきたいと思います.

作成する装具の検討

治療用装具は,その名の通り治療のために使用される装具です.

外来を受診して作成する場合と

入院中に作成する場合で少し流れは変わってきますが.

基本的な流れについて確認していきましょう.

病気やケガをした際に,

受診・診断の結果

どのような治療が行っていくのか

治療方針の検討が行われますが.

その方法の1つとして

装具を使用するか検討されます

受傷から装具処方まで

このとき行われる医師との相談はとても重要な過程です

装具を使用するのか?という事も含めて今後の装具療法が決まります

よく話をして,気になる点は確認しましょう.

「なんだか思っていたのと違う」とならないようにしたいです.

医師から説明がある時点で,装具を使用した治療はある意味で

「オススメの治療方法」ではあるのですが,それしか方法がない事も稀です.

例えばコルセットならば,代わりにギプスで固定するという方法もあります

ギプスは外せないので,デメリットもありますが.

それでも一応,別の方法はあります.

治療の選択肢についてはよく確認しておきましょう

コルセット
ギプス固定

入院中で,リハビリで多く使用し,場合によっては自宅でも使う

可能性がある装具の場合は「ブレイスカンファレンス」という検討会が設けられ

そこにご本人やご家族にも同席して頂く事があるかもしれません.

どのような環境で装具を使っていくか

確認をすると共に

ご本人.家族に装具の理解を

深めてもらう側面もあります.

装具に対する希望があれば

この時にぜひお話いただくと

良いのではないでしょうか.

ブレイス(装具)カンファレンス

形態や参加者は違えど,装具を作成する場合には

このような検討を経て装具を処方することが決まります.

装具での治療方針を決めるとともに,医療側とユーザー側が装具に対する

理解と情報を共有するある意味で一番重要な時間ですね

装具処方から作成開始まで

検討の結果,装具が必要で使っていきましょうとなると.

装具が処方されます.ここから実際に装具を作成するのは

「義肢装具士」という国家資格をもった装具の専門家です

義肢装具士に関してはまた解説していきますね.

もしかすると,検討の時点で

会っているかもしれませんが.

義肢装具士から実際の装具について

具体的にどのようなものなのか

詳細な説明がされる事が多いです.

細かい装具の構成についても

この時に相談しながら決めていきます

また装具にかかる詳細な金額も,構成が決まれば分かるので

この時に説明があると思います.よく確認しておきたいですね.

作成開始時の義肢装具士からの説明を聞いて

ユーザーさんは装具制作の最終的な決定をする事となります

ここからは制作に入るので,よく考えて決めましょう

装具に関する疑問や不安はここまでで解消しておきたいですね.

装具処方後の作成の流れ

まとめ

どのような装具を作成していくのかという検討の流れを解説しました.

医療側とユーザー側が,装具に関する認識を共有するこの過程は.

その後の装具との関わり方に大きく影響があります.

装具の良し悪しを決める要素の多くを占めているので

装具を作成されることになった,ご本人や家族の方は

この検討の際に,疑問や不安,何が出来て何が難しいのか

医師や義肢装具士にたくさんぶつけて出来るだけ解決しておきましょう.

装具を作成しよう!となった後の流れについては,続きのコチラをご覧ください

参考資料

日本整形外科学会 ほか(監修),義肢装具のチェックポイント,医学書院,第7版,p2